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1974年青木・鈴木・柳井によって東大式自記健康調査票THI (the Todai Health Index) が開発された。THIは、開発以来、集団の健康測定によく使われて威力を発揮してきた。
1985年から日本医療情報システムKKは、東大式THIを応用開発して商品名:M/Pカウンセラーで、100万人近くに使った。これを改定したものを2006年からセコム医療システムKKが事業展開している。
最近では1999年東京杉並病の原因究明、同年嘉手納空港周辺住民の騒音影響、2003年成田空港周辺住民の健康調査に応用された。
2002年、京都府立医大浅野らと2003, 05, 06年度に群馬産業保健推進センター鈴木らは、すでに述べた新しいTHIを開発し、THIのTをTodai東大→Total多面的と改称した。これが質問紙「健康チェック票THI」およびその処理ソフト「THIプラス」{_03版}である。

「THIプラス」の利用の場面  1) 集団検診あるいは人間ドックでいわゆる多数の健常者を対象に、メンタルヘルスのサービスの一つとして実施する。問診の延長として心のケアにつなげる機能である。
2) 日常診療で患者に適用する。とくにプライマリケアで使うのに最適であろう。患者のうちでも、どこも悪いところは見つからないのに愁訴だけは多い人、家庭・職場でのストレスが多い人、主治医に甘えてよく話に来る患者がいる13)。これらの患者の課題を医師・患者ともTHIによってよりはっきり認識することができる。特に身体症状のあるうつ病の20%近くを医師は見逃しているとされるので、あらかじめTHIでチェックすることが望まれる。医師等の面接指導の前に記入・評価されたTHIの結果をもとに診察・面接すれば、より短時間に多面的に患者や長時間労働者の心身の現状を把握することが出来る。
3) 健康相談やカウンセリングに使う。THIは心身の多面的側面をスキャンするタイプなので漏れが少ない。生活習慣や身体症状もあるので対話のきっかけや話題の提供に役立つ。THI結果から自分の心身の健康課題に気づかされることも多い。個人の問題の解釈あるいは満足度QOLの向上に役立つ。

 「THIプラス」の上手な利用の仕方  
1) 主観の調査である利点を存分に使うこと!  
2) 説明と納得  THIは個人の内面にかかわる測定なのでよく説明し得られる結果とその取り扱いをTHI実施の前によく説明し納得してもらうことが大事である。一種の契約。これをtest situation という。
3) 気づき  例えば、「抑うつ」状態はなかなか自覚されないものである。「抑うつ」は自覚されにくいので、家族や友人・職場で気づいてやることが必要である。THI結果で気づかされ、早めに自分で対応がなされればベストであろう。これはTHIを利用することの大きな利益である。
4) 対話のきっかけ、話題提供として  記入者本人および保健医療相談者が結果をめぐって、新しい発見、対処方法の工夫が可能であり、健康管理の自己決定をより適正に行うことが期待される。さらに個人の健康について医師・保健師・心理士等により専門的評価と助言・勧告・指導ができる。
5) 身体表現性障害  いわゆる「医学的検査」では何もないが訴えだけは存在する「身体表現性障害somatoform disorders」を扱える。特に、{_03版}でのT1の大きいことで、それが評価できる。
6) 個人の一定の治療・介入・習慣改善・労働時間短縮などの効果判定や経過追跡、レクリエーションや湯治の効果測定、運動の効果、騒音曝露の影響、大気汚染の影響、3世代世帯での良好な暮らしQOL、喫煙の影響などをTHIでうまく測定できることも明らかにされている。